研究課題
東京歯科大学千葉病院に設置しているSIEMENS社製1.5T MRI装置を使用し、TR3000、2000、1000、500、100msと変化させて撮像を行ない、この5種類の画像の比較検討を行った。TEは11ms、撮像領域は230×230mm、画素数は512×512の一定とした。被験者は本研究について同意が得られた健康成人5名(男性3名、女性2名、平均年齢33.8歳、個性正常咬合)とした。観察対象器官は嚥下と関係する口唇、舌尖、舌背、舌根、硬口蓋、軟口蓋、咽頭後壁、喉頭蓋、喉頭蓋谷とした。全ての器官についてTR100msの画像は他の画像に比べ評価点が低かった。ほとんどの器官についてTR500から3000msにかけて評価点の差は認められなかった。TR2000msは舌背、舌根、喉頭蓋、硬口蓋、軟口蓋、咽頭後壁、喉頭蓋谷の描出において最も高い評価を示した。またTR1000msは口唇と舌尖、TR500msは喉頭蓋の描出において最も高い評価点を示した。TR2000msは口蓋、舌などのairと接する領域が少ない部位での器官の描出性に優れると考えられた。このMR画像による摂食・嚥下の関係器官評価に最適な画像を元に舌形態, 動態の描出を検討したい。また被曝がなく手軽であるUSの検査も用いたい。US装置を用いることにより、舌の動態変化およびリハビリ効果を検討できると考える。この二つを用いることで、さらなる舌形態、運動を精査することが可能となると考える。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Bull Tokyo Dent Coll 49(3)
ページ: 113-119