研究課題
口腔細菌叢の多様性解析130名の口臭患者と61名のボランティア計191名について、刺激唾液より調製した細菌DNAを鋳型とし、分子生物学的手法(terminal restriction fragment length polymorphism,T-RFLP)を用いて口腔細菌叢の多様性を調べた。同時にガスクロマトグラフィーを用いて口臭の主要な原因ガスである揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compound,VSC)の濃度を測定した。その結果、被験者は口腔内の細菌叢パターンに基づいて3グループに分類でき、グループ間でVSC全体や各VSC激に有意差が認められた。さらに、口臭の影響因子とされる口腔内臨床所見との関連を調べたところ、5mm以上の歯周ポケットを有する頻度が、細菌叢パターングループ間で有意に異なっていた。一方、唾液流出量や舌苔付着量には差が見られなかった。これまでの成果から、口臭に関連する口腔細菌叢パターンの存在が示唆されたことになる。現在はT-RFLP解析の結果から口臭レベルを推定する方法の開発を行っている。口臭と生活習慣、精神状態に関する研究口臭発生におけるストレスや生活環境の影響を検討するために、初診時の口臭問診票とCMI健康調査票(Cornell Medical Index Health Questionnaire)の回答結果を解析し、精神状態と実際の口臭レベルとの関連性を調べた。口臭問診票の解析より、口臭レベルの低い患者では、他人からの指摘でなく自分で口臭に気づいたと答える割合が高く、対人関係に問題を抱えているとの回答が多かった。CMI健康調査票の解析では、口臭レベルが低いほど、身体的にも精神的にも自覚症状のスコアが高く、神経症傾向も強いことが明らかになった。生活習慣では、飲酒習慣と強い口臭との間に正の相関があることがわかった。
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