研究概要 |
初期2型糖尿病患者の外来受診行動に関する意思決定の影響要因について、壮年期かつ有職者の対象4名を追加して半構成的面接調査を行った。調査対象は計19名である。分析は、内容分析の手法(K, Krippemdorff 1980)に基づき、対象者が受診行動について語っている内容を抽出し、コード化した。さらに内容の類似性に基づいて抽象化し、カテゴリー化を行った。 分析の結果、初期2型糖尿病患者の外来受診の影響要因として「糖尿病と合併症の認識」、「病気体験」、「主体的な健康管理意識」、「医療専門職との関係性」、「受診のしやすさ」、「健康に対する価値観」、「他者の受診勧奨」、「外来の受診経緯」が抽出された。 以上の結果から、初期2型糖尿病患者の受診行動支援には、 1. 患者の受診経緯を把握し、本人の病気体験の意味および健康に対する価値観を理解すること 2. 初診時から医療チームで患者のニーズを把握できるよう努め、信頼関係を構築すること 3. 病院組織として受診の効率化および経済的負担が軽減できるシステムを検討すること 以上を実践することで受診中断率が減少する可能性が考えられた。また、糖尿病患者の受診継続には、看護師が初診時から関わり、患者が受診や療養行動を継続することについてどのような意味づけをしているのかを把握し、継続支援の必要性について患者と共有することが重要と考えられた。
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