研究概要 |
初期2型糖尿病患者の受診行動に関する意思決定尺度の開発に向け、2型糖尿病患者の受診行動継続の意思決定に影響をおよぼす要因について明らかにし,患者の受診継続を支援する方略を検討することを目的として、平成20年度に糖尿病外来への通院を継続している2型糖尿病患者18名に実施した面接調査データの再解析を行った。分析は、内容分析の手法(K, Krippendorff.1980)に基いて行った。 分析の結果,受診行動継続の意思決定の要因には【医療者が責任持って自分の身体をみてくれる】【医療者を信頼して自分の身体をあずけられる】【医療者の信頼に応える】【医療者と心の通ったやりとりがある】【医療者が自分の生活を理解してくれる】【お金や時間を掛けても受診する価値がある】【自分自身で病気をコントロールしている】【自分の健康に責任を持つ】【健康であることに感謝する】【糖尿病を理解する】【将来起こりうる合併症を回避する】【努力している成果を実感する】【新しい発見や知識が得られる】【周囲の人が自分を心配してくれる】【自分だけでは難しい療養行動を助けてくれる】が抽出された.また、上記分析過程において、初期2型糖尿病患者の受診行動に関する意思決定尺度の開発には、治療開始時の意思決定の把握が不可欠であることが確認された。 次いで、中核病院の糖尿病外来の受診を開始して半年以内の患者に対して、現在までに3名に面接調査を行い、現在糖尿病である事実を現在どのように受け止めているか,中核病院を受診することについてどのような意思決定をしているのかを分析した。分析は、内容分析の手法(K, Krippendorff.1980)に基いて行った。 分析の結果,対象者は受診行動ならびに医療者との関わりを通して、自身が糖尿病であることを自覚しており、受診の意思決定には、高血糖指摘時の受け止め方、および糖尿病に対する認識が影響していると推測された。
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