本研究は、高齢者の身体活動を測定する質問紙Physical Activity Scale for the Elderly(PASE)日本版の確立と普及を目指し、(1)すでに開発したPASE日本版を様々な対象で用いてデータ蓄積をはかること、(2)PASE日本版を利用してもらえる体制をつくること、を目的としているものである。 平成19年度は、研究期間4年の初年度にあたるものである。PASE日本版を多くの方に早く使用してもらえるよう準備することが優先と考え、目的(2)に関する内容遂行のための準備に比重をおいて進めた。具体的には以下のことを行った。 1.目的(1)について 調査の実施可能性を検討するため、候補施設に出向き、情報収集を行った。 2.目的(2)について ・PASEは、海外事務局に版権があり、原版にはマニュアルも付帯されている。日本版は、許可を取得の上、翻訳し、validation studyを行い、作成してきたものである。今後、日本版を使用できるよう準備していくためには、事務局との使用許諾に関する検討が必要とされる。あわせて、マニュアル作成・出版の必要性も考えられる。そこで、今後、進めていくにあたり、関連各所のヒアリング等を行った。この結果をふまえ、関係者で、具体的方針の検討を行った。 ・PASEを広く知ってもらう目的で、これまで作成してきたPASEに関して、学会発表(国際学会1件、国内学会2件)を行った。あわせて論文化も進め、その中の一部の論文はアクセプトされた。 ・身体活動とその普及に関して広く情報を得るため、関連学会に参加し、情報収集を行った(国際学会1件ほか)。
|