近年の夜型化した生活が子どもの生体リズムの形成過程を阻害することがないよう、本研究は、幼児期の子どもの生体リズムを継続的に調査し、生体リズムの発達と午睡との関連性を明らかにすることを目的としている。 平成19年度は、生体リズムの形成過程にある0〜6歳の乳幼児115名を対象に、平成19年5月から12月まで土曜日、日曜日、祝日を除く8ヶ月間にわたり、1日5回の腋窩温測定を実施した。 今年度は、測定した体温および生活状況に関するデータをコンピュータに入力し、個人における一定期間内の同一時間帯における体温の変動の大きさ(測定値の安定性)と、日中の体温リズムの経時的な変化を抽出するために、個人のデータを1月ごとに確認し体温の分布図を作成した。一部のデータからは年齢が体温の安定性に関連していることが示唆される結果が得られたが、この個別の分析には予想以上の時間を要し、またデータの中には測定した体温において予測していた以上の変動が生じており、この理由の一つとして測定誤差が大きいことが考えられたため、調査協力施設である保育園の担当者と相談し、測定用具を再度検討したうえで、一部のデータを再測定する必要性が生じた。現在は、再調査に向けて調査施設と調整中である。
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