平成19年度に行った文献検討の結果より作成した研究計画書を再検討し、研究方法、調査内容について修正を重ねた。その後、ターミナル期の小児がん患児のケア経験のある看護師を対象に、ターミナル期の患児の日常的ケア場面における家族との認識のずれに対する看護師の捉え方を調査する計画書を、所属機関内の倫理審査委員会に申請した。倫理委員会より承認を得た後、ターミナル期の小児がん患児が入院していると考えられる東海地区の3施設の看護部長に対し、調査を依頼した。その結果、そのうち1施設においてのみ調査協力の承諾が得られた。 調査への協力が得られた1施設では、小児がん患児の看護経験が3年以上の看護師5名に面接調査を実施した。面接調査の内容は調査対象者の同意を得て、ICレコーダーに録音した。現在、面接調査内容についての逐語録作成、分析を行っている。本研究では「看護師が捉えるターミナル期の小児がん患児の家族との認識のずれ」が調査内容であるため、面接調査の内容より、調査の結果には看護師の背景(小児がん患児やターミナル期の患児のケア経験、看護師自身の価値観等)のみならず、各施設の特色(入院患児の疾患名、疾患の重症度、看護体制、地域背景等)が大きく影響することが見出された。そのため、ターミナル期の患児の日常的ケア場面における家族との認識のずれに対する看護師の捉え方に影響する要因を、より詳細に分析する必要性が示唆された。
|