研究概要 |
本年度は,「目的1.変形性膝関節症を抱える患者の生活上の困難およびセルフケアの実態を明らかにする.」を実施した. 1.対象者:外来に通院し,医師による膝OAの診断がされている患者.対象者数は,質的帰納的研究に基づく飽和概念を用いるため,あらかじめ決定しなかった.3月現在で20名の対象者に面接を行い,内容分析中である.対象者の条件:65歳以上,関節リウマチの者は除く. 2.調査方法および調査内容:研究計画の倫理審査を経た後,対象者に紙面を用いて研究の説明を行い,面接協力を依頼した.データ収集は10月から開始し,半構造化面接法を用いた.調査内容は「生活上の困難やその思いに関すること」「自ら実施する生活・健康管理上の行動に関すること」等を語っていただき,内容は,ICレコーダーに録音させていただいた. 3.分析方法:"生活上の困難"および"セルフケア能力""セルフケア行動"を表している文脈を分析対象とした内容分析を行った(スーパーバイズを受けた).逐語録を読み込み,用語の操作的定義に従って患者が抱える「生活上の困難」およびそれへの受け止め方,日常生活上および健康管理上の「セルフケア」に関する記述部分を対象者の言葉のまま抽出し,抽出した部分の意味を損なわない程度に表題を付けた。20名分析中である.個別分析終了後,全体分析に移り,"生活上の困難""セルフケア"のそれぞれについて大表題を作成し,各構造モデルを構築する. 4.成果 変形性膝関節症患者の実態として論文化するとともに,"生活上の困難"および"セルフケア能力""セルフケア行動"を測定する尺度開発(アイテムプール作成)に役立つ.
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