10代で妊娠をした場合、自分自身が成長発達過程にある上に胎児発育という両方のニーズを満たさなければならず、様々な葛藤をするといわれている。10代で妊娠をした女性が自身の妊娠を通し、生活の変化をどのように認識しているかを明らかにすることを目的に、若年妊婦12名を対象に、半構成的面接調査を実施した。逐語録を作成し「10代かつ未婚で妊娠をした女性が、妊娠を継続していく上で経験する思考プロセス」に焦点をあてて、M-GTAの手法を用いて分析を行った。本研究の倫理性は、山口大学大学院医学系研究科保健学専攻の倫理審査委員会にて承認を得た。 その結果、21の概念が抽出された。10代かつ未婚で妊娠をした女性は、【何となく妊娠を予感】し、妊娠が判明した際には【先が見えない】と思うと同時に、妊娠したことを【うれしい】と感じていた。また、妊娠継続をすることに対して、【個人的な意味付け】を行っていた。妊娠を知った両親や家族は、【早すぎる妊娠に動揺】をしながらも、【相手家族と折り合い】をつけ、若年妊婦本人の【新しい家族への巣づくり】を経ながら、次第に家族メンバーから【妊娠を受容されて】いると感じていた。その根底には【絶対的な味方である実母のよりそい】があり、実母が大きなサポート役割を果たしていた。若年妊婦は、【先が見えない】と感じながらも、妊娠の継続を経ていく上で【自分なりの先の見通し】をつけていた。妊娠経過の間には【想像以上の試練】、【経済的余裕がない】、【私だけが犠牲】、【情緒のゆらぎ】、【周りの目が気になる】などの現実に直面し、時には【欲求の優先】を行うこともあった。家族からの支援を受けたり、【愛くるしい我が子の実感】、【周囲からの妊婦としてのいたわり】、【仲間同士の支え】を得ながら、【母親としての目覚め】を行っていた。 現在、分娩後1か月時における継続調査を実施中であり、3名のデータを得て分析中の段階である。
|