本年度では、高齢がん患者が"がんと共に生きるこどの様相を探求するために以下の目的を実施した。 (1)国内外で類似する研究の資料・情報収集・文献検討の実施:日本がん看護学会等へ参加や資料収集及び文献検討を行い、がんサバイバーに関する研究の動向を明確にして本研究の位置づけや研究方法の調整、インタビューガイド作成等行うことが出来た。 (2)高齢がんサバイバーシップの様相を量的に測定する用具の検討及び備品の購入:文献検討や質的な実態調査より測定用具の検討及び必要物品を購入し、次年度の量・質的研究がスムースに行う準備ができた。 (3)高齢がん患者が"がんと共に生きるこ"の様相について質的調査をした結果、高齢がんサダイバーシップの様相として8カテゴリー(【】で示す)抽出された。高齢者がん患者はがんと共に生きる中で【人生を振り返るとがんなんて大したことじゃない】ということと育児という大きなライフイベントを終え【第一線を退いて気楽】な身であり、【年が年だから病気になるのはしょうがない】気持ちと病状が病状だから【いつ悪くなってもおかしくないと心積もり】していた。そして【十分生きたから最期に向けて気持ちを整理する】が、その反面、差し迫るような悲壮感はないが【覚悟があっても今は生きていたい】と願い、【治る事に向けてモチベーションをあげる】努力をしていた。更に子育て役割責任は終えたが長い人生経験で得てきた知恵を後世に引き継ぐ役割責任として【残される人に対しての責任を果たす】ことをしていた。以上より、高齢がん患者のもつ今までの人生の中から獲得してきた英知や対処能力といった成熟の要素が肯定的に働き、がんという脅威に向き合い共に生きる力になっていることが示唆されており、この結果は高齢がん患者のサバイバーシッアを支えるケプを構築していく上で重要な情報を明らかにできた。
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