「赤ちゃん体操」が実施されているNICUを持つ1施設において、5名の「赤ちゃん体操」の対象児と4名の母親に看護ケアを実施した。看護ケアは児の入院中から外来通院時へ継続中である。児に対する看護ケアにはインファントマッサージインストラクターとして体操のタイミングやタッチの方法について具体的な説明を盛り込んだ。母親に対しては「赤ちゃん体操」の目的や退院後に赤ちゃん体操を継続するために必要な具体的な留意点や工夫点について記載した家族に手渡すパンフレットの作成に着手し理学療法士の協力を得て完成した。パンフレットは実際のケアに使用しており、今後さらに改良を重ねる予定である。児の運動発達を目的とした「赤ちゃん体操」を継続することが母子相互作用にどうような効果をもたらしているのか、また実施している看護介入の効果について児の入院中から退院後という継続的な検証を4組中2組の母子へ継続中である。本研究の対象である低出生体重児を持つ母親とその児の食生活についてのアンケート調査結果分析したところ、低出生体重児の母親は児の健康や食生活について標準出生体重児の母親よりも心配が多いことが明らかとなり学会発表を行った。この結果を全国のNICUを持つ施設におけるケアの実態調査と母子の状況の質問紙にも生かしていく予定である。平成20年度は標準出生体重児を対象にインファントマッサージ教室を開催し母親の心身の健康状態のデータを収集した。今年度は対象を「赤ちゃん体操」を継続している児にも広め、母子相互作用を促進するための具体的な方策の検討と、NICU収容児を持つ母親の心身の健康状態の特徴を明らかにする研究を進めていく予定である。
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