「赤ちゃん体操」が実施されているNICUを持つ1施設において、8名の「赤ちゃん体操」の対象児と7名の母親に看護ケアを実施した。看護ケアの際には本研究で作成したパンフレットを母子の状況に合わせ修正を加え使用している。パンフレットの使用を通して「赤ちゃん体操」が成長発達の促進とともに母子相互作用の機会でもあることを理学療法士と共有しながら母子のケアにかかわることができるようになった。看護ケアは児の入院中から外来通院時に継続中である。また、NICU収容児の母親へのインタビューを実施し内容の分析を行った。分析の結果は、第29回日本看護科学学会学術集会において「発達促進の運動療法を受けている極低出生体重児の母親の体験と思いの分析」と題して発表を行った。分析結果より「赤ちゃん体操」を実施している母親が児の成長発達と「赤ちゃん体操」を母親が主体となって行うことに不安や焦りを抱いていることが明らかとなった。母親が児とのふれあいを楽しみながら自信を持って「赤ちゃん体操」に取り組めるよう看護職者が児の反応を丁寧に伝えたり、母親のできている点を褒めたりするといった積極的なケアの必要性があることが示唆された。 ハイリスク母子の母子相互作用の促進を目的としたインファントマッサージ教室を開催した。開催前後に実施したアンケートを分析し、結果を第39回北海道母性衛生学会学術集会にて「インファントマッサージ実習が上の子どもをもつ母親へ及ぼす変化について」と題して発表した。本分析の結果よりインファントマッサージ実習を受けることにより母親は今現在の子どものニーズをより大事にするようになるといった効果があることが明らかとなった。さらには乳児を育児中の母親は疲労や心身の不調を抱えていることがわかった。今度は母親の骨盤ケア等を含め母親の心身両面でのケアを実施し、母子相互作用が促進されるケアを継続する予定である。
|