本研究では、一般病棟に入院している終末期がん患者と家族のスピリチュアルペインの実態とその影響要因を明らかにすることを目的とした。面接調査の結果、(1)治療を受けるまでの見通しの立たない不安や苛立ち、焦燥感 (2)現在、行っている治療への疑問とセカンドオピニオンへの期待との葛藤 (3)余命告知後の経過予測ができないことへの不安等が抽出された。スピリチュアルペインへの影響要因には、医療者(特に医師)との信頼関係、医療者とのコミュニケーションの在り方、家族等のサポートが関係していた。患者家族は、タイムリーに医療者へ相談できる機会を求めていることが示唆された。
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