研究概要 |
外来で術後補助療法を受けている乳がん患者の支援ニーズを把握し,そのニーズに基づいた個別的な看護支援方法を開発し,その実行可能性と有効性を評価することを研究目的とした。平成19年度はニーズに基づいた看護支援方法として,簡易的な問題解決療法を実施するためワークシートを作成し,構造的なプログラムとして開発を行った。問題解決療法は心理療法のひとつであり,個人の日常生活上の問題を整理し,その優先順位や解決可能性を考えた上で,その問題に対する達成可能で現実的な目標を設定し,ブレーンストーミングによって多様な解決方法を挙げ,それらのメリットとデメリットを評価した後に最良の解決方法を選択して実行し,その結果を検討するという5つのステップから構成されている。問題解決療法は精神保健の専門家ではない看護師が実践しても有効であることが示されている。看護師が介入として問題解決療法を実践するために,月に2回程度(1回60分〜90分)のロールプレイを実施し,サイコオンコロジーの専門家・臨床心理士からスーパーバイズを受け,ワークシートおよびプログラムの修正を行った。 研究計画が実施施設の倫理委員会の承認を得た後,術後補助療法として化学療法を受けている乳がん患者2名に対しプレテストを実施し,介入内容の妥当性と実行可能性を確認した。平成20年度より苦痛を抱えている乳がん患者に対し,開発した構造的な看護支援サービスを実施するため,サンプリングを開始した。
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