急性白血病と告げられた患者は、罹患のショックを受け止める間もなく治療を受ける。さらに、強い副作用症状を伴う治療が年余に及ぶため、患者は精神的・身体的苦痛を長期間に亘り強いられる。このような状況であっても、患者が希望を持ちつつ療養生活に臨むことができれば、病気と向き合い、療養過程での困難に立ち向かう力を得ることができると考える。本研究の目的は、急性白血病患者の抱く希望の内容、希望に作用する要因および希望を支える看護師の関わり方を明らかにすることである。 研究対象者は(1)初発の急性白血病に対する治療を受けている(2)病名、治療法などの説明を主治医からされている(3)意識が清明でコミュニケーションが可能である、以上の条件を全て満たし、20歳以上で本研究の目的を説明し、同意が得られた患者とした。また、研究の実施に際し、主治医・病棟師長の許可の得られた患者とした。調査方法は半構成的質問紙を用いた面接調査である。面接は、寛解導入療法から退院までの治療終了後毎に1回30分程度、プライバシーの保持できる環境で実施した。面接内容は逐語録とし、グラウンデッド・セオリー・アプローチ法を用いて分析した。対象者へは文書と口頭にて、本研究の主旨を説明し同意書にて承諾を得た。 対象者は3名であり、全員女性であった。平均年齢は43歳(30〜52歳)であった。疾患は急性骨髄性白血病1名、急性前骨髄性白血病2名であった。面接調査したデータについては現在、分析中である。 今年度は対象者数が3名と少なかったため、さらに対象者数を確保するために研究実施施設を増やした。新たな研究実施施設への調査協力依頼とともに倫理委員会への申請も実施した。次年度は、さらに対象者数を増やし、面接調査および分析を進めていく予定である。
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