本研究は、地域を基盤とした心臓リハビリテーションシステムにおける継続的支援を考案・実施し、その評価を行っていくことを目的とし、わが国において心臓リハビリテーションに取り組む患者が長期的にそれを継続していくための新たな枠組みを検討するものである。最終年度となる今年度は、継続的支援プログラム試案を実践適用し、介入研究により本プログラムの妥当性・実用性について検討を行った。本研究に関する説明を行い、了承の上で同意書を提出した対象者は5名、平均年齢は59.2歳(平均身長163.8cm、平均体重65.8kg)であった。このうち脱落者は1名で、分析対象から除外した。介入の評価指標に関しては、身体的データとしてライフコーダ(歩数、運動量、消費量、運動時間、距離等)と、心理・社会的データとして山田が作成した「運動の継続に影響する要因尺度」を使用した。評価時期は、<リクルートー第1回目プログラム前(介入前)>、<第2回目プログラムー第3回目プログラム(介入後)>の2時点とした。身体的データについては、介入前後で運動時間に有意差が認められた。T検定の結果、検定統計量t値-7.40(有意確率p値0.005)となり、運動時間は介入前の23.24時間/週から介入後は28.62時間/週と有意に増加した。一方、心理・社会的データに関しては、介入前後のどの経時変化を比較しても有意差が認めらなかった。プログラムの内容については、対象者による主観的評価から鑑みると、各回の目標や内容、方法のレベルは適切であり、プログラム自体が意義のあるのものであったことが推察された。継続的支援プログラムに関しては、本結果をもとに今後さらに修正・強化すべき点について検討し、実践活用できる内容に修正・精錬していきたいと考える。
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