平成19年度は、血液透析に携わる看護師の思考過程を明らかにすることを目的に、面接調査を行った。 第一に、面接に用いる半構造面接用紙を作成した。面接に用いる半構造面接用紙は、先行研究結果で明らかになった透析看護にみられる17の看護診断のうち、よくみられるとされた198項目とした。 第2に、透析看護に携わる看護師3名を対象に予備調査を実施した。予備調査より研究方法の再検討、修正等(診断名、診断指標についてNANDA-I2007-2008の発行に伴い変更、研修会での討論により診断名15になった。)を行った。 第3に、対象者となる研究協力者を透析看護認定看護師または透析療養指導看護師とし、日本腎不全看護学会の協力を得て公募した。募集の結果16名より応募があり、研究計画書による説明を実施し、承諾書を得られた13名に対し面接調査を行った。面接調査は対象者の勤務地近くで会議室を借用して実施した。各面接時間は約2時間であり、結果はICレコーダーに録音し、逐語録を作成した。 逐語録をもとに、看護診断指標ごとにデータを整理した。整理の過程で、看護診断指標以外に看護師が患者を捕らえるきっかけとしているデータなどが発見された。そのため、データは看護診断指標以外にも関連項目として分類し、分析の準備を行った。 分析は、整理されたデータから、看護診断指標のcueになっていると考えられるものを拾い上げ、共通性などを検討した。また、関連項目となったデータが、思考過程においてどのような役割をしている情報なのかについて検討を行っている最中である。 結果は、まだ分析途中であるため明らかになっていないが、看護診断の思考過程における看護師がcueとしている情報の一端が明らかになりつつある。
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