昨年度までのデータを元に、分析および成果発表を行った。 分析にあたり、テキストデーターソフトを利用し、分析を行った。単語の出現頻度や分類については整理できたが、目的である看護診断指標についてとの整合性は得られなかった。そのため、スーパーバイザーの助言により、再度、テープ起こしを実施し、インタビューデータの細部にわたり分析を行った。看護診断における理論的背景を元に、研究協力者である看護師の意図している事柄について、3~4名で分析を行った。一つの看護診断につき議論を重ねながら、診断指標とデータを照らし合わせながら分析を行った。3つの看護診断ラベルについて、特徴的な診断指標と透析療養指導看護師や認定看護師が手がかりとしている情報を明らかにすることができた。他の看護診断ラベルについては、NANDA-Iでの名称の変更や診断指標の変更、理論的背景が明確になっていないもの、透析患者にみられるとされていたが、インタビューデータの中にあまり見られなかったことで、分析が十分にできなかった。 今後は、不足のデータの再収集、および分析の継続、予定していた診断内容妥当性検証(DCVモデルの利用)に向けた、アンケート用紙の作成を行っていきたいと考える。これまでの研究成果を腎不全看護領域の国際学会で発表することで、看護診断と透析看護の関連について好評することができた。学会に参加し、NANDA-Iの看護診断を活用していない国の看護師が興味を示し、診断することの重要性などについて討論することができた。また、看護診断学会においては、他の臨床領域での看護診断の特徴を知ることができ、透析看護領域においてもさらに深めていく必要性を実感した。
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