研究概要 |
New long stay患者の退院支援の状況について患者の視点から明らかにすることを目的として, アンケートを実施した. 調査項目は前年度の聞き取り調査の結果および先行研究の検討から, 「退院に対する考え」「退院に向けた準備状況」「退院に向けた支援の状況」に関する計15問を作成した. 平成20年度に日本精神科看護技術協会に登録している精神科医療施設から選択した100施設の看護部長に対し, 20歳以上で入院1〜5年の患者3名へのアンケート配布を依頼した(計300部). 対象者の研究参加への同意はアンケートの返送をもって得ることとした. 142名から回答を得(回収率47.3%), うち回答者記載による入院期間が1〜5年である103部を有効回答とした(有効回答率72.5%). 回答者は男性53%, 女性47%, 年齢は20-30代19%, 40-50代60%, 60-70代21%, 統合失調症が73%を占め, 平均入院期間は27.8月であった. 「退院に対する考え」では, 85%が退院を考慮し, 82%が退院を希望し, 68%が条件が整えば退院できると評価していた. 「退院に向けた準備状況」では, 退院時期が未確定/不明の者82%, 退院先が未確定/不明の者49%であった. また, 退院後の心配の上位は, 対人関係45%, 金銭管理41%, 新しい環境への適応35%であった(複数回答). 「退院に向けた支援の状況」では, 適切な支援が行われている者31%, 自分の意向や希望が尊重されている者26%であった. 相談相手の上位は主治医52%, 受け持ち看護師49%, 家族43%であり, 退院支援提供者の上位は, 看護師44%, PSW39%, 主治医38%であった(複数回答). また, 現在受けている支援内容の上位は, 家族調整40%, 退院に向けた話し合い39%であり, 今後希望する支援の上位も, 退院に向けた話し合い55%, 家族調整50%であった(複数回答).
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