訪問看護師が効果的なリハビリを実施するために必要な、病院又はリハビリ専門職(PT/OT/ST)との連携の手段・時期・情報を明らかにし、最終的には在宅ケアでのリハビリを成功させるための要件を提示するために、以下のことを実施した。訪問看護及び訪問リハビリを実施している全国の訪問看護ステーションを対象としてアンケート調査を実施するため、まず、その質問項目の抽出を行った。訪問看護ステーションでのリハビリに関する他施設連携について記載された国内外の文献21の内容を「連携手段」「時期」「情報」のキーワードで分析を行った結果、病院と訪問看護ステーションの連携の実態として、「連携手段」については多い順に「FAX」「面談]「電話」「郵送」が抽出された。「連携時期」については「入院時」「退院が決まった時点」「退院時」が、「情報」については「リハビリ内容に関する情報」「自宅の療養環境に関する情報」「薬剤に関する情報」「家族に関する情報」の項目が抽出された。しかしながら、これらの項目と、訪問看護師の連携に対する満足度や利用者の機能維持との関連について明らかにされている記述はほとんどなく、今回行ったアンケートの質問内容には上記の「連携手段」「時期」「情報」に加え、「自分が行っているリハビリについての達成感・満足感」「実際の利用者の機能維持状況」を入れた。これらの内容は在宅でのリハビリを行っている看護師により妥当性が認められた。実施したアンケートについては、WAM NETを利用し、全国の訪問看護ステーションから無作為に、都市部より150施設、地方より150施設を選び、訪問看護師を対象として往復はがきによる郵送方法をとった。現在分析中である。本研究の意義・重要性は在宅リハビリにおいてその専門職のみならず、看護師による実施の必要性が高まる中、看護師が効果的にリハビリを行うための要件を提示できることである。
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