研究概要 |
1.文献検討 国内外の介護保険施設及びナーシングホームにおけるせん妄や生活リズムの乱れに対する研究の文献検討を行った。国内外において,せん妄に関する研究はここ数年で増加傾向にある。看護師はせん妄や認知障害に対する知識や患者や高齢者の評価する力が不十分であるために,適切なケアがなされていない傾向が指摘されている。 2.高齢入院患者における不穏・せん妄発症に対する看護師による予測アセスメントに関する研究 一般病院の看護師がどのように,不穏やせん妄の発症予測のアセスメントを行い備えているかについて,質問紙による調査を,500名の看護師を対象に実施したその結果,診療科に関わらず,不穏やせん妄は起きており,看護師の経験年数によって観察する視点が異なっている傾向がうかがえた。 3.介護老人保健施設における不穏・せん妄に対する看護師の捉え方,及びせん妄予測アセスルトに関する研究 介護老人保健施設に勤務している看護師が,実際せん妄や不穏について,どのように捉え,不穏やせん妄の発症予測を行い備えているかについて,質問紙による調査を実施した。その結果,せん妄と不穏の捉え方が人それぞれであること,評価方法やケア方法は具体性にかけるため,更なる調査が必要であることが明らかとなった。平成20年度に,介護老人保健施設の看護師に直接インタビューし,さらに検討をすすめていく。 4.日本老年看護学会老年看護政策関連調査研究事業・生活リズム班への参加 日本老年看護学会主導の医療強化型介護老人保健施設入所者の生活リズム調整に関するケアプロトコール作成に参加した。今後,導入が検討されている医療強化型老健(介護療養型老健)を含めた老人保健施設において,せん妄を含めた,生活リズム障害への対応について協議・検討した。その中で,老人保健施設をフィールドに,生活リズム等について研究している研究者と意見交換した。
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