研究概要 |
1.せん妄発症予防ケアプログラムの実施 昨年度,作成した「せん妄発症予防ケアプログラム」をA県内のB介護保険施設(介入群)において,実施中である.C介護保険施設をコントロール群とした.プログラム実施開始までのプロセスは以下の通りである. (1)ケアプログラム実施のためのケア提供者に対する教育的介入(介入群) 「せん妄について」,「せん妄発症予防のためのケア」等について,看護・介護職員を対象に研修会を計4回実施した. (2)せん妄発症予防ケアプログラムの対象高齢者の選定(介入群) 選定基準に基づいて,せん妄発症リスクのある高齢者を選定し,高齢者本人と家族に研究協力の依頼をした. (3)ケア提供者に対して,高齢者ケアに関する知識と自律性を問う質問紙調査の実施(両群) ・介入群:ケアプログラム実施予定の療養棟スタッフに対して,研修会の実施前と実施後に,質問紙調査を実施した. ・コントロール群:介入群とほぼ同時期に,同様の質問紙調査を実施した. (4)対象高齢者のケアプログラム開始前の評価(介入群) 高齢者本人と家族から研究協力の同意が得られた対象者に対し,認知機能,ADLレベル,睡眠覚醒状況を,MMSE,MOSES(高齢者用多元観察尺度),バーセルインデックス,アクチグラフを用いて,測定した.これらは,プログラム開始1ヶ月,終了時にも測定予定である. (5)ケアプログラムの開始(介入群) 対象者の行動内容から援助内容を決定し,ケアプランをケア提供者と協議して作成する.そのケアプランに基づき,ケアを開始する.ケアプログラムは大きな枠組みであり,統一されたものではない.細かなプランはその対象者に合わせ,個別に作成し,適宜修正する. (6)コントロール群対象者の選定(コントロール群) 介入群の対象高齢者の年齢・性別・介護度・ADLレベル等をマッチングした高齢者を選定し,研究協力の依頼をした.
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