平成20年度からの特定健診・特定保健指導の開始により、自治体の保健衛生部門が担ってきた生活習慣病の健診・保健指導は、国保部門に移される。それに伴い、市町村では、国保部門と衛生部門が連携の下で実施し、対象者の多い地域では、民間事業者と協働した体制が図られることとなる。そこで、保健指導のアウトソーシングによる市町村保健師の他機関との連携・協働を明確にするため、1年目は、資料や文献調査、研究報告会に参加し、進捗状況の把握や情報収集を行った。 これまで健診後の保健指導は、付加的なサービスと位置づけられ、保健活動は公共サービスとして直接実施してきたという歴史から、民間事業者の参入はほとんど行われてこなかった。しかし、この度の医療制度改革に伴い、厚生労働省の調査(平成18年)によると、保健指導の実施方法について、78.7%が未定・不明と回答する一方で、部分委託(7.8%)、全面委託(0.2%)を実施予定という自治体もある。また、準備が進んでいる自冶体においては、特定保健指導に関わる実施計画やアウトソーシングにおける管理について、関係機関と連携を図ることを重要な課題としている状況である。 市場競争原理や専門家の力を効果的に利用し、アウトソーシングを効果的に進めていくためには、委託業者との連携体制の構築が重要であることが予測された。これらの情報をもとに、次年度は、人口規模の大きな自治体の保健師や、保健指導を受けた住民を対象に、実態調査を行う予定である
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