研究概要 |
本研究は,「調査1」地域住民および看護職の遺伝カウンセリング理解の実態,「「調査2」遺伝カウンセリング受診の質的調査,「調査結果の分析」調査1,2の結果分析,「分析からの検討」遺伝カウンセリング体制についての検討,の4部構成である. 19年度は,20年度に実施予定の調査1,2の準備期間とした.本研究の研究計画および作成した調査紙等を本学倫理委員会へ申請し,承認を得た.その後,調査1,2の調査対象者となる看護職者が所属する関連諸機関等へ協力依頼,調整等を行い,数箇所からの内諾を得た.調査1で使用する地域住民および看護職用の質問紙は先行研究を参考にした.調査項目には,「遺伝に関する用語の認識」「社会の中における遺伝カウンセリングの必要性」「遺伝カウンセリングを利用するか」等を含めた.今年度は地域住民用の質問紙を用いて大学1年生111名にプレテストを実施した.結果は次のとおりである. 「遺伝に関する用語の認識」について,遺伝,遺伝子,DNA,染色体は理解していると認識しているが,遺伝子検査,発症前診断,出生前診断等,臨床で使用される内容についての認識は低かった、中でも遺伝カウンセリングは55名(49.5%)が聞いたことがないと答えていた. 「社会の中における遺伝相談の必要性」について,'かなりそう思う''まあそう思う'と答えた者は53%,'あまりそう思わない''思わない'と答えた者は14%であった.一方,「遺伝カウンセリングを利用するか」について,'かなりそう思う''まあそう思う'と答えた者は17%,'あまりそう思わない''思わない'と答えた者は50%であった.この「必要性」と「利用」の両者間には相関が認められた.
|