研究概要 |
本研究は, 「調査1」地域住民および看護職の遺伝カウンセリング理解の実態, 「調査2」遺伝カウンセリング受診の質的調査, 「調査結果の分析」調査1, 2の結果分析, 「分析からの検討」遺伝カウンセリング体制についての検討, の4部構成である. 20年度は調査1について地域住民と看護職者を対象に質問紙調査を郵送法にて実施した. 地域住民からは332名(回収率33.2%), 看護職者からは907名(回収率56.3%)の回答を得た. 地域住民の結果より, 「遺伝相談が必要と思うか」の質問では, 'かなりそう思う' 'まあそう思う'と答えた者は58.5%であった. しかし, 「遺伝相談を自分が利用するか」についそては'かなりそう思う' 'まあそう思う'と答えた者は34.8%にとどまり, 社会における遺伝相談の場の必要性ば感じていながらも実際は利用する者が少ないという結果であり, 利用しやすい環境の検討が必要と思われる. 一方, 看護職者の結果かち, 「遺伝について学びたいか」の質問については'かなりそう思う''まあそう思う'と答えた者は48.7%であるが, 実際「学ぶ機会があるか」についてはほとんどの者がないと答えていた. これから遺伝医療において重要な役割を担うであろう看護職者に対する教育は重要であり,この結果より研修等の開催は急務と思われる. 今後, 調査1で収集したデータを地域別, 住民看護職者別, 年齢別等で統計学的分析をすすめる予定である. また, 今回, 調査1で郵送した質問紙に調査2の調査協力依頼を明記したが, 協力が得られた者は地域住民の1名であった. その1名についてはインタビュー調査を実施した. 逐語録を作成し, 質的分析を行う予定である. 今後, 調査2については, 関連諸機関への依頼などにより, 地域住民および看護職者の調査対象者を増やす予定である.
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