ケアする人が地域の様々な資源や情侵を選択し、自らをケアする活動を運営していくような地域ケアシステムの構築と稼働を目指し、ヘルスケア・アートプログラム(HCAP)を活用した地域ケアシステムの稼働が可能かどうか評価を行うとともに、新たに専門職者へのHCAPの開発を目的とした活動を行った。 平成19年度はHCAPの継続実施、有効性評価のため、地域に根付いた活動を行っているNPO法人と共に福祉機器試乗・展示の企画および運営を行った。その会場で吹き矢を用いたアートイベントを行い、障害の有無や年齢に関わらず、作品を作って持ち帰ってもらった。ユニバーサルデザインを取り入れた様々な福祉機器を試乗・展示したことで、高齢者や障害児・者、現在ケアに携わっている一般の住民をはじめ、専門職の参加も多く、広くケアにアートを用いるプログラム活動を周知することができた。 また専門職へのプログラム検討として、K町にて、障害を持った人達やケアする住民に関わる保健師や事務職を対象とした吹き矢プログラムを行った。その結果、ケアの対象である住民と共に、専門職者も爽快感などを感じることができる内容であることが分かった。同時に唾液でのストレス強度チェックを行った結果、参加者全員にストレス強度の減少が確認された。これを基に、今後プログラムの客観的評価を行う方向性が確認できた。また、こどもの療育環境研究会や日本看護研究学会に出席し、療養者本人だけではなく、ケアに携わる人へのケアについて、様々な視点から意見交換を行うことができた。 更に、アメリカにてSociety of Arts in Healthcareが主催する学会に参加し、アートを用いたケアする人へのケアを実践している関係者との意見交換や、ワシントンDCにて様々な施設見学及び意見交換を行うことで、今後、継続的に行う為の知見を得ることができた。
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