平成21年度は、ヘルスケア・アートプログラムを活用した地域ケアシステムの評価、専門職者を含めるケアする人へのプログラムの実施と評価を目的として活動した。ヘルスケア・アートプログラムの継続実施および専門職を含むケアする人への効果として、訪問看護を利用している在宅療育児と家族、訪問看護師を対象に、フリーマーケットや花火などを行った。フリーマーケットを親子で実践することで、他者との交流を楽しむことができ、夜の外出や花火を経験など在宅療養児が経験しにくい内容を看護スタッフやボランティアが一緒に行うことで、本人と家族は勿論、彼らに関わる医療専門職が共に楽しみ、共通の思い出を作ることができた。それにより本人や家族、専門職が一緒に療養生活を前向きに過ごす意欲の促進につなげることができた。また、障害を持つ親子を対象とする療育キャンプにて、参加者の障害児と親、兄弟児、医療・福祉の専門スタッフを対象に身近なものを利用したキャンドルホルダー作りを行った。創作アート活動を行うことで、より「楽しさ」を実感し、親子、兄弟、専門職が一緒に楽しみながら、思い出を深めることができた。作品は家庭に持ち帰って利用することが可能であり、日常生活の中で作品を見ることや利用することで、日常に「楽しさ」を提供することができるよう工夫を行った。またボランティアやスタッフも共に創作したことで一体感を得ることができ、ケアする人達も一緒に楽しみ、光と音楽を使って空間を演出したことで、キャンドルの「ゆらぎ」による癒しを提供することができた。また、ケアする人々、特に母親のレスパイトに関する調査を行い、睡眠時間やサービスの利用状況など障害児を育てる母親の実態を把握することができた。
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