研究概要 |
1乳児の生活リズム,睡眠に関する母親の認識と生活習慣を把握し早期支援の方向性を探るために,市町村の行う3〜4ヵ月児健診を受診した母親に対して実態調査を実施した(有効回答数は105部)。 (1)22時以降に就寝する児は32.3%,就寝時刻が不規則である児は14.3%であった。夜間,目が覚めない児は24.8%いた。児の睡眠問題を自覚する母親は27.1%で,「夜なかなか寝っかない」「夜の眠りが浅い」等であった。22時以降に就寝する児の就寝する時刻が「ちょうどよい」とする母親は50.0%を占めた。 (2)児の就寝時刻で22時以前群と22時以降群に分けて比較したところ,「睡眠時間が確保できれば遅寝遅起きでもよい」と考える母親は,22時以前群は12.3%に対し,22時以降群では35.5%と高くなっていた。また,生活習慣で「夜,消灯時刻を決めている」は,22時以前群は44.8%に対し,22時以降群では28.1%が行っており,「家族で早寝早起きしている」は,22時以前群は43.3%に対し,22時以降群で18.8%と,22時以降群の実践は少なかった。 (3)子育て経験別で,初産と経産に分けて生活習慣を比較したところ,「朝はカーテンを開けてるい部屋にする」は,初産の母親は90.4%に対し,経産の母親は69.4%と実践は少なかった。 これらのことから,子どもの睡眠に関する認識は高いとはいえない実態が把握でき,早期からの介入の必要性が示唆された。 2 睡眠習慣改善に関心のある母親に対し,乳児の睡眠習慣確立と母親の心身健康増進へ向けて,行動変容を意図とした早期介入を試みている。今後,追跡調査をしていく予定である。
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