研究目的は、生活習慣改善のためのWebサイトを用いた保健指導プログラムを作成し、その効果を検証することである。H21年度は以下の内容を実施した。 1. 保健指導プログラムの教育媒体および指導マニュアルの作成 教育媒体として、行動変容のための情報提供ページ、対象者の交流・意見交換のための掲示板、セルフ・モニタリングのためのWeb日記の3つの内容を中心としたウェブページを構築し、対象者と研究者用の運用マニュアルを作成した。また、指導内容の一貫性を確保するため指導マニュアルを作成し、保健指導実施者との打ち合わせを実施した。 2. 保健指導プログラムの実施 (1)対象者の選定;健診等を受けた30~60歳の勤労者のうち医師の判定の結果、内臓脂肪症候群とその予備軍、その他の軽度な異常があり、生活習慣の改善が必要とされた者で、生活習慣改善の意志があり、研究への協力の同意が得られた者を選定した。さらに、対象者を無作為に介入群A(情報提供ページ・Web日記・掲示板利用/コメント送付あり)、対照群B(情報提供ページ・Web日記・掲示板利用/コメント送付なし)、対照群C(情報提供ページ利用のみ)の3群に分けた。 (2)保健指導プログラムの実施;介入効果の前後比較のため、保健指導プログラムの実施前に医学生理学検査(血圧・肥満度計測、血液検査)を実施した。その後、対象者全員に個別面接を行い、生活習慣チェックシートに基づき指導し、行動変容の改善目標を設定してもらい、ウェブサイトの利用方法や3ヶ旨月後・6ヶ月後の評価方法を説明した。現在、ウェブサイトを用いて保健指導プログラムを進行中であり、平成22年度中の評価を踏まえて介入効果を検討する。
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