研究概要 |
平成19年度は,心理教育的手法を用いた精神科看護師教育プログラムを開薬するための,情報収集(文献や学会)を主に行うと同時に,昨年までの成果発表の準備等を行った。また,開発中の精神科看護師教育プログラムの評価に使用する予定である,Nurse Attitude Scale (NAS)の短縮版の開発を行っている。 心理教育的手法を学ぶために,心理教育関係の様々な学会やワークショップに参加した。また,精神科看護師に看護師が家族心理教育を勉強し,実施することでどのような影響があるかについてのインタビューを行った。その結果をまとめ,現代のエスプリに「家族心理教育と看護教育」として掲載した。内容としては,家族心理教育に携わる看護師は元気にやりがいをもって仕事ができることが指摘されているが,その理由としては,やはり患者,家族と共通の側に立って,一緒になって問題に取り組めることである。看護師が患者や家族にアドバイスしたり,指導したりするのとは違って,お互いに対等にアイディアを出し合う関係は,患者や家族に「自分たちの何とかやっていける」と思えるようになり,患者や家族が元気になっていく。そのプロセスを見ることで,看護師も元気になり,やりがいを感じるのである。 このことから,研究に得られる示唆は,家族心理教育という手法もさることながら,家族心理教育の基本理念や考え方を看護師が身につけることが重要だということだ。そのことが効果的な精神科看護師教育のための鍵となるものと考えられる。
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