研究概要 |
本研究はエンパワーメントアプローチをプログラムにおける患者への共通の教育アプローチ方法として用い,1)CDE-Nsによる,2)外来で行う,3)教育型でのプログラム開発を行う。エンパワーメントアプローチを日本の医療現場の実状に合った形に修正し,糖尿病療養指導士資格を持つ看護師を中心としたプログラムを開発、導入し,糖尿病の早期治療に対する新たな治療戦略の一端を見出せるよう,早期介入の方向性を探ることを目的としている。 本研究の計画は糖尿病患者を対象とした外来看護プログラム開発,プログラム実践,そしてその有効性の検証という3つのフェーズに分けられ,平成19年度にはプログラム実施予定病院の外来における現状調査および分析を行った。この結果,外来で従来行われている糖尿病療養指導士をもつ看護師が行う個別糖尿病療養相談には,患者の生活に沿って療養相談を行えるという利点がある一方,相談を行うなかでの課題として,1)一貫した糖尿病教育が行えなえないこと,2)療養相談のアウトカムが客観的に評価しにくいことが挙げられた。この分析結果をもとに,糖尿病療養指導士をもつ看護師が中心となって行う,エンパワーメントアプローチを導入した外来での集団型糖尿病教育のプログラム立案をおこなった。この立案したプログラムを平成20年度に試行し,アウトカム指標として計画する数量的データの変化および対象者のヘルス・ビリーフなどを質的データとして用い,アウトカム評価およびプロセス評価を行うことを通じて有効性の検証を行い,引き続きプログラムの修正をしていくことを計画している。
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