平成20年度の前期期間(平成20年9月末まで)育児休暇を取得していたため、10月より研究を再開した。研究計画では、一年目に20から40歳代までの子育て中の女性の生活習慣(食行動、睡眠、運動、ストレスなど)と健康意識、健康観を調査し、生活習慣予防に向けた潜在的ニーズを明らかにすることを目的としていた。再開に伴い先行研究を再調査ずると、育児世代の女性を対象とした研究がいくつか報告されていた。しかし、多くは母親の生活習慣と育児との関係を研究したもので、1件のみ本研究と同じ視点をもった研究があった。その先行研究では、生活習慣と健康意識の相関関係を調べており、喫煙と健康意識には関連があるものの、他では明らかな関係がなかったと報告されていた。 そこで、本研究では対象者の保健行動に対する力を既存の尺度を用いて測定し、子育て世代の女性の保健行動に対する力を引き出すプログラムを示唆する方向に計画修正を行った。本研究では、宗像氏が予防的保健行動の実行に関わる要因として挙げている保健行動の優先性、予防的保健行動、病気に対する脆弱性、積極的対処行動、生き甲斐、情緒的ネットワーク、保健規範意識などから子育て世代の女性の意識とバランスを調査し、支援プログラムに反映することとした。これらの尺度を用いて調査することにより、対象の強み、弱みが明らかになると予測している。これらをもとに現在は調査票を作成し、協力機関と具体的な調整を始められる段階である。
|