研究概要 |
本研究では訪問看護師に特異的な職業性ストレスを測定するための尺度の開発を目的としている。そこで,今年度は尺度原案の作成ための項目収集をすることを目的とした質問紙調査を行った。 はじめに,研究協力施設選定のために福岡県内の全訪問看護ステーション251ヶ所の管理者宛に研究の主旨等を記載した研究依頼の文書を送付した。その結果,87ヶ所の訪問看護ステーションから研究協力の承諾が得られた。そして,研究協力の承諾が得られた訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師462名を対象として,郵送法による質問紙調査を行った。調査票は無記名とし,調査項目は(1)基本属性および勤務形態,訪問看護師経験年数,訪問形態等の職務の状況,(2)訪問看護の仕事上のストレスに関することとした。なお,(2)の訪問看護の仕事上のストレスについては自由記述とした。 質問紙調査を実施した結果,調査期間内に292名から調査票の返送があり(回収率63.2%),そのうち無回答者7名を除く285名を解析対象者とした(有効回答率61.7%)。そして,解析対象者から得られた訪問看護の仕事上のストレスに関する自由記述について,その述べられている内容を「利用者・家族に対するストレス」「他職種に対するストレス」「看護ケアに関するストレス」のカテゴリーにより読み取り,現在,これらの内容から尺度項目を抽出し,さらに文献検討等からの項目を追加し尺度項目の作成を行っている。 次年度は質問紙調査等で得られた尺度項目よりなる質問票を作成し,その質問票を用いて調査を実施することにより尺度採択項目を決定し,訪問看護師の職業性ストレス尺度の作成をすすめる。
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