本年度は、健康支援ボランティアのための教育プログラムの開発に向け、平成19年度に行った先行研究の文献考証およびヒアリング調査を基盤にして作成した教育プログラムの試案を実際に展開し、評価を行った。実施にあたり、ポスター及びチラシを作成し、A大学内市民向けコーナーに配置し、学内ホームページ上や後援を得た社会福祉協議会の広報誌を通して希望者を広く募集した。その結果、定員30人に対し37人の応募があり本教育プログラムに対する市民の関心の高さが窺えた。実際のプログラム内容は(1) 健康に関する概論(ヘルスプロモーション)(2) ボランティアに関する概論(3) こころの健康に関して(4) 身体的健康に関してである。評価にあたり、受講者に対しアンケート調査を行った。なお、調査はA大学研究倫理審査委員会の承認(承認番号08-046)を得て実施した。その結果【対象者の属性】受講1者32人のうち全回出席した25人の協力を得た。回答者の年代は60代が35.5%と最も多く、全員女性で「主婦」が47.7%と最も多かった。【プログラム全般について】9割以上が本教育プログラムは有意義であり、今後のボランティア活動に役立つと感じ、講座に参加しボランティアへの活動意欲が参加前よりも高まったと回答した。【教育内容について】9割以上が教育内容に満足し、理解できたと感じ、特に1回目の講座「健康に関する概論」が最も印象に残ったと回答した。【自由記述】「講義は身体的、精神的、心理的、社会的健康という順番の方がより一層身近なものになる」という意見が挙げられた。初めての試みであったが、アンケート結果から、プログラム全般・教育内容共に概ね受講者の満足度が高かったことが窺えた。今後、効果的なプログラム開発に向け教育内容や運営条件等、受講者の意見を反映し計画者ら運営スタッフと検討を行い、市民の関心が高まる展開方法を検討していくこととする。
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