本年度は、前年度の「健康支援ボランティアのための教育プログラムの考案(試案の計画・実施・評価)」をふまえ「健康支援ボランティアのための教育プログラムの実施と評価」及び「分析とまとめ」を行った。評価としてプログラム前後(1回目開始前と4回目終了後)に任意による無記名式のアンケート調査を実施し、その場で回収した。また、終了後のボランティア活動について追跡調査を行った。なお、調査はA大学研究倫理審査委員会の承認(承認番号09-1003)を得て実施した。結果【対象者の属性】受講者31人のうち全回出席した22人の協力を得た。回答者は60代が58.6%と最も多く、男性2割、女性8割であった。【教育内容について】全員が教育内容に満足し、理解できたと回答した。特に4回目の講座「健康に関する概論」が最も印象に残ったと約半数が回答した。【プログラム全般について】9割以上が講座を開催する時間帯や、会場について満足し、全員が本プログラムは有意義であり、9割以上が今後のボランティア活動に役立つと感じ、ボランティアへの活動意欲が開始前よりも高まったと回答した。【自由記述】「ボランティアのことを体系的に学べた」、健康やまわりの人や地域について考えるようになった」など意見が挙げられた。また、追跡調査の結果86%の講座修了者が健康支援ボランティアとして活動を始めた。〔分析〕前年度と今年度、self-esteemの調査を行った。その結果、事前事後ではいずれも平均得点が上昇していた。さらに、今年度は前年度に比し平均得点の上昇の割合が高かった。〔まとめ〕プログラム全般・教育内容共に概ね受講者の満足度が高いことが窺えた。また、自由記述において「もっとボランティアについて討議する機会やボランティア活動をしている方の話なども伺いたい」という意見をふまえ、さらなる検討を行い、よりよいプログラム開発の必要性が示唆された。
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