| 研究概要 |
本研究ではデータ中継に対してモチベーションを与えることで,効率のよいデータ配信のためにこれらを考慮した高品質,すなわち安定性・性能の優れたマルチキャスト配信木を,各ユーザが自律的に構築するプロトコルを設計することを目的としている.
本年度は前年度までに提案したプロトコルについて,ユーザがリソース提供及びインセンティブ獲得に関して様々な嗜好を持つ場合,すなわち,最も多くインセンティブを獲得するような行動をとる・または最低限のリソース提供ですませようとするなどの行動を取る場合を検討し,それに対応できるようにインセンティブ配分モデルの改良を行なった.
また,提案手法を無線アドホックネットワークにおいても利用可能とするための改良を行なった.まず,無線環境の特性や帯域の状態を考慮に入れたプロトコルの設計を行なった.また,ピアとなる各端末ノードの地理情報を考慮して,ピアIDの割り当てを行うことによって,遅延の小さな構造型P2Pオーバレイネットワークを構築できるプロトコルの提案を行なった.これによってインセンティブシステムに遅延に関する指標を導入することが可能となった.このピアID割り当て法については査読付会議にて発表を行なった.
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