パーキンソン病における脳深部刺激(Deep Brain Stimulation、以下DBS)による睡眠障害改善効果についてParkinson's Disease Sleep Scale(PDSS)による主観的評価を17人に、 Polysomnography(PSG)による客観的評価を術前5名、術後かつ電気刺激調節後の2名行ってきた。PDSSについては電極埋め込み後早期から改善を示しており、micro-lesioning effectによる運動機能の改善が背景となっていると推察される。また、術前PSGのデータが得られた5名については睡眠効率平均60.7%(25.4%〜84.4%、健常若年成人は75〜97%)と低下を示しており、睡眠構築障害、断片化が認められている。調節後評価結果の得られたのは2名のみであるが、構築の改善、効率化が確認できており、今後もデータを蓄積していく予定である。尚、懸念されたDBSによる脳波へのアーチファクトについてはモンタージュの工夫により解決している。 PDSSの術後早期改善効果については、2008年1月26日の第47回日本定位・機能神経外科学会にて報告し、2008年6月の12th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disordersでも発表予定である。
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