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2007 年度 実績報告書

脳波,脳磁界の持つダイナミクスの解明-モデルをベースとしたアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 19800068
研究機関独立行政法人情報通信研究機構

研究代表者

成瀬 康  独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門未来ICT研究センター・バイオICTグループ, 専攻研究員 (00455453)

キーワード脳波 / 脳磁界 / モデル化 / α波 / 誘発反応
研究概要

現在,脳波,脳磁界の計測は世界中で盛んに行われている.そして,脳波,脳磁界にて計測される自発活動は,刺激により強度が変化したり,リセットされたり,領野間で同期したりするというダイナミクスがあることが知られている.しかし,そのダイナミクスの背景にどのようなメカニズムがあるかは明らかとなっていない.その理由として,ニューロンで言えばHodgkin-Huxleyのモデルのような,脳波,脳磁界のモデルが存在していないことが挙げられる.そこで,本研究では,脳波,脳磁界におけるモデルの構築を行った.そして,事象関連同期/脱同期(ERS/ERD)のメカニズムを明らかにした.ERS/ERDは刺激により,自発活動の強度が増加/減少する現象である。ERS/ERDが起こる要因として,1)ジェネレータ間の同期性が変化すること,2)ジェネレータの活動強度が変化すること,が挙げられる.脳波,脳磁界にて計測される波形は神経の活動の空間的な和であるため,この二つの要素を切り分けることが出来ない,しかし,本研究で構築したモデルを用いることで個々の神経の活動をシミュレート出来るため,この二つの要素を分離することが出来る.そこで,本研究で構築したモデルを用いてこの二つの要素を切り分けることを試みた.その結果,ジェネレータ間の同期性の変化がα波のERS/ERDを引き起こす主要因であることが示唆された.ERS/ERDが脳機能に関連していることはこれまでに示唆されていたが,ERS/ERDを引き起こす要因が分かっていなかったため,ERS/ERDがどのようなメカニズムにより脳機能に関連しているかが分からなかった.本研究でERS/ERDのメカニズムを解明したことはERS/ERDの神経科学的意味づけを行うことが出来たという点で重要な知見である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 脳波ダイナミクスの解明を目指して2008

    • 著者名/発表者名
      成瀬 康
    • 学会等名
      豊橋技術科学大学グローバルCOE特別セミナー
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学
    • 年月日
      2008-03-17
  • [学会発表] Role for horizontal connection in multiple alpha generators model for MEG/EEG2007

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Naruse
    • 学会等名
      Society for Neuroscience
    • 発表場所
      アメリカサンディエゴ
    • 年月日
      2007-11-07
  • [備考]

    • URL

      http://www-karc.nict.go.jp/d333/kenkyu_in/naruse/index.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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