研究概要 |
本研究では,探索アルゴリズムに基づく実行効率のよい探索プログラムの開発を,探索問題の仕様(に相当するプログラム)にわずかな記述を追加するだけで可能にするような,「ユーザ指向」の探索アルゴリズムライブラリの構築を目指している.従来のライブラリの多くが,ライブラリを利用できるような形にプログラムを書き下すことを利用者に強制するのに対し,提案するユーザ指向ライブラリは,そのような強制を利用者に課さないという利点を持つ. 本年度は,第一段階として,主に,探索アルゴリズムの実装の蓄積,および,実装作業の効率化に取り組み,以下のような成果を得た.・制約充足問題の解探索アルゴリズムについて,ユーザ指向ライブラリ上での実装を進めた.ただし,組み合わせ最適化問題を主たる対象としていた従来のユーザ指向ライブラリの枠組みを崩すことなく,いかに両者を包括するか,という問題点があることも分かった.・本研究の基礎をなすデータ構造Improving Sequenceによる利点を享受するためには,Improving Sequenceそれ自体を効率的に実装することも重要である.本研究では,Improving Sequenceを言語のプリミティブとする言語処理系の実装についても研究を進め有用な知見を得た.
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