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2008 年度 実績報告書

飼料イネを用いた河川水質浄化における温室効果ガス放出の抑制に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19810003
研究機関東京農工大学

研究代表者

周 勝  東京農工大学, 大学院・工学府, 助教 (50451985)

キーワード環境技術 / 飼料イネ / 水質浄化 / 温室効果ガス / バイオマス生産 / 亜酸化窒素 / メタン / 窒素除去
研究概要

本研究では、飼料イネ人工湿地を用いて実際の汚濁河川水を浄化する際、水位や流れ方式が、栄養塩(特に窒素)浄化能力やメタン及び亜酸化窒素の放出量にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために、暗渠の活用による表面流と浸透流を組み合わせることによる栄養塩の浄化能力を評価した。また、温室効果ガスの放出について、飼料イネの生長段階にあわせ、中干しや間断灌漑など水管理を行うことによって、土壌中の酸化還元電位を調節し、メタンガス及び亜酸化窒素の放出量を評価した。
実験系として浄化施設の浸透流出流量と表面流出流量の比を4:1(A系)と1:1(B系)を設けた。2つの系とも5、6月に連続湛水をした後、中干しを行った。その後、B系において9月から一定の水位を保つ連続湛水のことに対して、A系において、排水口の位置を調節することによって、間断湛水をおこなった。その結果、B系の酸化還元電位(-5cm)は中干し期間を除いて、殆ど-150mVを維持していた。一方、A系では、湛水期間の酸化還元電位はB系と同じ程度であったが、間断湛水期間中にはEhの値は-150〜+450mVの範囲で変動していた。2つの系とも浸透流出水の全窒素濃度が低く、除去率が高かったが、A系の全体の除去速度(406mg-N/m^2/d)はB系(326mg-N/m^2/d)より高いことがわかった。これは浸透流の割合が高いほど、根圏への窒素量が増加し、吸収量や根圏での脱窒量が増えたためと考えられる。また、表面流と浸透流を組み合わせた飼料イネ湿地からの温室効果ガス放出量は、一般の水田や湿地からのものよりも低く、温暖化への寄与は小さいことが示唆された。しかし、亜酸化窒素は大気中への放出は低かったが、浸透流出水から放出されたことが明らかになった。今後、人工湿地や農地の温室効果ガスを評価する際、浸透流出水からの亜酸化窒素の排出量を考察する必要があることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nitrogen removal, N_2O emission, and NH_3 volatilization under different water level in vertical flow treatment system2008

    • 著者名/発表者名
      Sheng Zhou, Hong Hou, Masaaki Hosomi
    • 雑誌名

      Water, air, & soil pollution 191

      ページ: 171-182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人工湿地に関する研究と利用の動向について2008

    • 著者名/発表者名
      周勝, 細見正明
    • 雑誌名

      用水と廃水 50(2)

      ページ: 41-50

    • 査読あり
  • [学会発表] 飼料イネ湿地による水質浄化及び温室効果ガスの放出2008

    • 著者名/発表者名
      利谷翔平, 周勝, 中島田豊, 細見正明
    • 学会等名
      日本水処理生物学会第45回大会
    • 発表場所
      秋田県秋田市
    • 年月日
      2008-11-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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