デスクワークとしては、ポルポト時代以後のカンボジアのほかに、中国およびベトナム、ラオスで1950年代以降にみられた社会革命について二次文献を読み進めた。同時に、旧ソ連邦や東欧のポスト社会主義社会に関するモノグラフや歴史研究についても二次文献を蒐集した。フィールドワークとしては、2007年9〜10月にかけて、カンボジアおよび、ベトナムへ渡航し、広域のサーヴェイを行った。カンボジアには、2008年2月にも渡航した。 カンボジアでは、農村でのフィールドワークよりも、現地調査研究機関の教官諸氏との間に関係を作ることを主眼として行動した。具体的には、王立プノンペン大学、王立プノンペン農業大学、王立芸術大学、Center for Advanced Studies、 Center for Khmer Studiesなどの機関を訪問し、活動の現状を把握すると共に、本研究課題の遂行について意見交換を行った。ベトナムでは、南部のメコンデルタ地域のソクチャン省を訪問し、カンボジア系の住民が支える上座仏教寺院においてオープンな聞き取りを行った。 来年度は、現地機関との関係作りに加えて、一次データの収集を目的としたフィールドワークにも力を入れる予定である。
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