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2008 年度 実績報告書

セミクラスレートハイドレートスラリーを用いるガス吸収・分離技術に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19810028
研究機関神戸市立工業高等専門学校

研究代表者

牧野 貴至  神戸市立工業高等専門学校, 応用化学科, 講師 (70455153)

キーワードガスハイドレート / 高圧力技術 / 平衡物性 / 混合ガス分離 / 省エネルギー技術
研究概要

ハロゲン化テトラブチルアンモニウムセミクラスレートハイドレートは結晶中にゲスト分子が包接されていない空隙が存在し、ここに気体分子を包接することができるため混合ガス分離媒体として利用できる。セミクラスレートハイドレートの平衡物性や結晶構造はハロゲンの種類に依存して変化する。本研究では、ガス分離媒体として利用するためには三相平衡関係およびガス包接量を測定し、セミクラスレートハイドレートの分離性能について評価する。
臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)系では水素、窒素、二酸化炭素、メタン(二酸化炭素とメタンはほぼ等しい)の順に、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)系では水素、窒素、メタン、二酸化炭素の順に、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)系では水素、二酸化炭素、窒素、メタンの順にそれぞれ三相平衡温度が上昇する。ただし、3.5MPa以上の圧力領域では、TBAF+二酸化炭素系の三相平衡温度はTBAF+水素系より低くなる。二酸化炭素とフッ素イオンが反応することでフッ化二水素が発生し、ハイドレートの生成を阻害することが原因である。
ハイドレート単位体積あたりのガス包接量は、メタンについてはTBAF系、TBAC系、TBAB系の順に高くなり、二酸化炭素についてはTBAB系とTBAC系がほぼ等しくTBAF系は低い。窒素と水素の包接量はいずれの系についても、本研究の圧力範囲ではほとんど差がない。ガス包接量はTBAB系がいずれのガスについても最も高い。なお、エタンはいずれの系にも包接されなかったため、空隙径はエタンの分子径よりも小さく、エタンより大きい分子は包接されない。
以上の結果より、メタンと二酸化炭素を分離する場合以外はTBAB系が、メタン+二酸化炭素ガスの場合は低圧力範囲ではTBAC系が適していると結論できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 四級アンモニウム塩セミクラスレートハイドレート系の気固液三相平衡関係2009

    • 著者名/発表者名
      牧野貴至, 山本知代, 坂本宏美, 永田健人, 橋本俊輔, 菅原武, 大垣一成
    • 学会等名
      化学工学会第74年会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] ガスを包接した四級アンモニウム水和物の相挙動変化とガス包接量2009

    • 著者名/発表者名
      永田健人, 坂本宏美, 牧野貴至
    • 学会等名
      化学工学会第11回関西学生大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2009-03-07

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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