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2007 年度 実績報告書

農耕地における土壌有機物の分解率推定手法の確立と動態モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19810030
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

上村 真由子  独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 農環研究別研究員 (60444569)

キーワード土壌圏現象 / 環境変動 / Roth-Cモデル / 土壌有機炭素 / 農耕地 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 温度依存性
研究概要

本研究は,土壌有機炭素(SOC)の変動予測に不可欠な土壌有機炭素モデル(SOCモデル)を開発するために,データを整理・収集し,モデルパラメータの推定手法を確立し,独自のパラメータを組み込んだSOCモデルを開発することを目的としている.
本年度は主に2つの成果を得た.まず,日本の農耕地土壌での長期炭素変化データを用い,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)を導入して,Roth-Cモデルのパラメータを決定する手法を確立した.易分解,難分解性SOCのコンパートメント毎に分解速度の温度依存性パラメータを決定したところ,難分解性のSOCでは収束した事後分布が得られたが,土壌中で量の少ない易分解性SOCについては収束した分布が得られなかった.温度依存性の違いがコンパートメントの分解しやすさによって明らかにはならなかったものの,化学肥料や堆肥の投入によって栄養状態の良い土壌では温度依存性が小さくなるという結果が得られ,窒素の投入が土壌有機物の分解しやすさに影響を与えることが明らかになった.これらの結果は土壌有機物分解の将来予測を行う上で大変有用である.
次に,既存の研究を基にモデルのコンパートメントに沿って土壌中の炭素を分離・定量化する手法の確立を行った.モデルパラメータ推定,特に,易分解性のSOCについてのパラメータの推定精度を上げるためには,モデル中のコンパートメント毎のSOC量を定量化する必要がある.MCMC法ではデータが多いほどパラメータの推定精度が増すため,上記のSOCの長期変動データに加えてモデルで設定されているSOCコンパートメントの土壌中の構成比を明らかにすれば,より精度高いパラメータ推定が期待できる。手法を確立したことによって,次年度以降にさらなるデータの収集が可能になった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Estimating parameters in a soil organic matter model by Monte Carlosampling:a case study of Japanese arable soil.2007

    • 著者名/発表者名
      Jomura, M.
    • 学会等名
      International Workshop on Advanced Flux Network and Flux Evaluation
    • 発表場所
      Aspire Park,Taoyuan,Taiwan
    • 年月日
      2007-10-20
  • [学会発表] Probabilistic inversion of temperature dependency on soil organic carbonturnover in Japanese arable land.2007

    • 著者名/発表者名
      Jomura, M.
    • 学会等名
      3rd International Conference on Mechanisms of Organic Matter Stabilization and Destabilization in Soils and Sediments
    • 発表場所
      Stamford Grand Hotel,Glenelg,Adelaide,Australia
    • 年月日
      2007-09-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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