1月4日から1月16日までは、インド・デリーでの国際学会(World Congress on Psychology and Spirituality)およびジャワハルラール・ネルー大学(JNU)の女性学研究センターのセミナーで発表し、インドおよび世界各国の研究者たちと意見交換をした。2月9日から3月9日までは、研究対象地であるインド・オリッサ州のブバネーシュワル市および近隣のプリー市において現地調査を遂行した。現地調査においては、事前に中間層女性にインターネットをつうじて配布したアンケートを回収し、その中から10数名を選び、それぞれの女性をめぐる関係性のネットワークの具体的な詳細および彼女たちのライフヒストリーについて情報を獲得した。インタビューをつうじて、彼女たちの「理想の生き方」と「生きがい」についての考え方や価値観および実際の人生経路と将来計画・希望について聞き取り、それが、彼女たちがおかれた関係性のネットワークのありかたやそれまでの人生経験とどのようにかかわっているかを考察した。また調査対象の女性にインタビューをするだけでなく、当該女性にとっての重要な他者たち(義父、義母、夫、父、子供、兄弟)に対してもインタビューをおこなった。これによって、個を中心とするネットワークが、当該女性の人生構築にいかなる影響を与えているかについて、より多元的なデータを得ることが可能になった。日本にいる間は、フィールドワークで収集したデータの整理・分析に着手し、並行して当課題に関する学術書やパンフレット類の文献資料を収集し、読解を進めた。
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