研究概要 |
本年度は,昨年度に引き続き、5月、11月、3月にソウルにて駐韓米軍基地内に設置された米軍クラブに出入りした韓国人ミユージシャン5人、韓国人のクラブマネージャ1人にインタビューを計9回行った。とりわけ、韓国人従業員はバーテンダーの仕事を経て、クラブマネージャーの仕事をしていた方である。今年度は、本研究の最終年度であるため、これまでに行ったインタビューのほぼ8割のトランスクリプト化を終えている。継続して、残りのトランスクリプト化を行い、公開の検討をしたいと考えている。 韓国での調査が予想以上に成果をあげたといえよう。特にインタビューをお願いした方々が高齢(平均70代後半、最高齢は88歳)だっため、科研費の予算は韓国出張に国内旅費の分まで使用したため、国内での現地調査は私費で行ったのでここでの報告は省略する。 上述したように、順調にインタビュー調査が進んだため、当初よりも韓国でのインタビュー調査に力点をおくことにした。そのおかげで、先のような貴重な話を伺うことができた。 研究成果としては、韓国での米軍クラブの音楽実践と日本での米軍クラブの音楽実践は、非常に似ていることが実証的に明らかになった。映像や音源の比較分析まで視野にいれた研究計画であったが、これらについては、インタビュー調査を優先したため、目下、鋭意、分析に取り組んでいるところである。 韓国でのインタビュー調査の成果は米8軍形成の黎明期に関して論文にまとめ、日韓の比較も視野にいれた、音楽のグローバル化にみる米軍クラブの位置づけを理論化するための作業として論文にまとめた。
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