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2008 年度 実績報告書

四川漢代石闕にみる儒教系図像の地域的受容と展開

研究課題

研究課題/領域番号 19820031
研究機関早稲田大学

研究代表者

楢山 満照  早稲田大学, 文学学術院, 助手 (30453997)

キーワード四川 / 石闕 / 儒教 / 漢代
研究概要

平成20年度は以下の二点を当該年度の研究の柱として調査研究を進めた。
まず、平成19年度までに実施した四川地域の石闕作品に関する現地調査を継続して進め、石闕上にあらわされた図像の詳細な記録作業を完成させることである。すでに成都市、雅安市を中心とした成都平原に現存する石闕の調査を終えており、平成20年度は、四川省渠県、重慶市等の四川地域東部にて実見調査を実施した(平成20年10月)。調査では、調書作成と描き起こし図を用いた記録方法のほか、高解像度デジタルカメラによるデジタルデータ保存を引き続き試みた。それにより、絶えず風化・摩滅が進む石闕の現状を末永く記録するとともに、ディスプレイ上に図像を復元・展開表示し、図像内容全体を容易に把握することが可能となった。
次に、史書の記載内容と合わせて、四川地域の墓葬美術において、儒教系図像が担っていた役割を明らかにすることである。『後漢書』、『歴代名画記』等の記述によると、儒教的な歴史故事を画題とすることの意義は、それを鑑とすることにより、観る者に対して勧戒的作用が及ぶことを期待したものであった。しかし、本研究では四川地域の石闕に見出される特異な重層的図像表現、すなわち「羽翼の生えた儒教の聖賢」に着目した。その結果、それはらすでに単なる儒教的範疇を脱していたことが想定され、「仙境へと連なるイメージ」をも付加された、儒教的かつ神仙的なダブルイメージをもつ特異な図像として当地で受容されていたことが明らかとなったのである。
以上の研究成果は、国際東方学者会議(平成20年5月)で口頭による研究発表を行ったのち、本研究の総括が『鹿島美術研究年報』第25号別冊に学術論文として掲載された(平成20年11月刊行)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Representations of Immortals and Sages on Stone Gate Towers of the Han Dynasty in Sichuan : Their Functions and the Intentions of Their Erectors2009

    • 著者名/発表者名
      楢山 満照
    • 雑誌名

      TRANSACTIONS OF THE INTERNATIONAL CONFERENCE OF EASTERN STUDIES 53

      ページ: 107-108

  • [雑誌論文] 四川省雅安市高頤闕にみる漢代儒教図像の地域的展開2008

    • 著者名/発表者名
      楢山 満照
    • 雑誌名

      鹿島美術研究年報 25号別冊

      ページ: 271-281

  • [学会発表] 四川漢代石闕にみる神仙図と聖賢図-その機能と造営者の意図-2008

    • 著者名/発表者名
      楢山満照
    • 学会等名
      第53回国際東方学者会議
    • 発表場所
      日本教育会館
    • 年月日
      2008-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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