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2007 年度 実績報告書

中世韻文学における句題の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19820049
研究機関天理大学

研究代表者

小山 順子  天理大学, 文学部, 講師 (20454796)

キーワード中世文学 / 和歌 / 連歌 / 句題 / 和漢比較 / 古典
研究概要

本年度は、竹島一希氏との共著「「新古今集詞連歌」紹介と翻刻」(『京都大学国文学論叢』第18号)に「新古今集詞連歌」という未紹介の資料を翻刻・紹介した。次いで発表した「「新古今集詞連歌」考察-和歌句題、続歌と詞連歌-」(『京都大学国文学論叢』第19号)において、この作品を中心とし、連歌作品において特定の古典作品に依る詞を賦物として用いる百韻連歌の発生と展開を整理した。正風連歌とは異なる異体連歌に位置づけられる詞連歌が、大永年間の前半に興隆するに至る背景やその契機を考察すると同時に、詞連歌の有する意義や意味を明らかにすることを試みた。本年度の研究では、これまで韻文学における句題の研究からは顧みられることのなかった詞・連歌というジャンルについて、漢詩句題・和歌句題からの発展として捉え、句題の歴史上に詞連歌を位置づけた。韻文学における句題という観点から、更には大永年間の和歌愛好の気風との関わりから詞連歌を考えた。また、句題を考察する上では、古典意識の問題が重要であるが、和歌と連歌における「古典」の範囲の違いを踏まえた上で、句題として用いられる古典作品の差異についても言及したものである。
また今年度は、口頭発表「藤原良経の本歌取りにおける否定表現-『正治初度百首』を中心に-」を行った。この発表は、句題和歌と密接な関係を有する本歌取りについて、新古今時代の実作と照らすことで、本歌取り技法の諸相を窺う上で否定表現を取り上げたものである。本歌取りについて、詞の面からの古典摂取とそれが生み出す斬新な表現を創作する様を論じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「新古今集詞連歌」考察-和歌句題、続歌と詞連歌2008

    • 著者名/発表者名
      小山 順子
    • 雑誌名

      京都大学国文学論叢 19

      ページ: 36-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「新古今集詞連歌」翻刻と紹介2007

    • 著者名/発表者名
      小山 順子・竹島 一希
    • 雑誌名

      京都大学国文学論叢 18

      ページ: 50-64

    • 査読あり
  • [学会発表] 藤原良経の本歌取りにおける否定表現-『正治初度百首』を中心に-2007

    • 著者名/発表者名
      小山 順子
    • 学会等名
      和歌文学会関西例会
    • 発表場所
      神戸松蔭女子学院大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [図書] 室町前期和漢聯句作品集成2008

    • 著者名/発表者名
      京都大学国文学研究室中国文学研究室
    • 総ページ数
      325
    • 出版者
      臨川書店

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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