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2008 年度 実績報告書

中世韻文学における句題の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19820049
研究機関天理大学

研究代表者

小山 順子  天理大学, 文学部, 講師 (20454796)

キーワード中世文学 / 和歌 / 連歌 / 句題 / 和漢比較 / 古典
研究概要

今年度は、昨年度の「『新古今集詞連歌』翻刻と紹介」(『京都大学国文学論叢』第18号)、「『新古今集詞連歌』考察-和歌句題、続歌と詞連歌-」(同誌第19号)に引き続き、「伊勢物語詞連歌」を翻刻・紹介した。今回の翻刻と紹介は、特定の古典作品に依拠する詞を賦物として用いる詞連歌の中でも、中世和歌・連歌の古典として最重要である『伊勢物語』を賦物とする作品である。
また、室町時代の句題和歌についての論考として、「室町時代の句題和歌と三条西実隆」を発表した。この論考は、代表者が従来より取り組んできた室町時代後期の句題和歌について、文学史上から通覧し、また位置づけを試みたものである。三条西実隆が、句題和歌の隆盛に果たした役割の大きさを指摘した上で、これまで整理・通覧されてこなかった室町時代の句題和歌について、現存する資料をまとめた。さらには平安時代から中世中期までの句題和歌と異なる点が、その依拠資料の多用さ、また句題和歌の開催が公的な場にあることを指摘した。
代表者はこれまでの研究で、句題和歌の歴史の上から等閑視されてきた室町時代後期が、句題和歌の歴史の上から、転換点となっていることを、典拠の多様性、また典拠の用い方、生み出された場の性格、中世歌論との関わりなどから明らかにしてきた。今年度の研究は、その総括ともいえるものである。句題和歌については、個々の作品を論じ、また歌人個人の試みとして論じられることが多いが、今年度の論考によって、文学史上における位置づけ、また、同時代との接点についての問題提起を行った。それにより、句題和歌の歴史の上での室町時代後期、逆に、室町時代後期の堂上文学における句題和歌の位置を、明確することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「伊勢物語詞連歌」翻刻と紹介2009

    • 著者名/発表者名
      小山順子, 竹島一希
    • 雑誌名

      京都大学国文学論叢 20

      ページ: 47-63

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 室町時代の句題和歌と三条西実隆2008

    • 著者名/発表者名
      小山順子
    • 雑誌名

      龍谷大学仏教文化研究叢書 24

      ページ: 401-425

    • 査読あり
  • [図書] 良基・絶海・義満等一座和漢聯句訳註2009

    • 著者名/発表者名
      京都大学国文学研究室中国文学研究室
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      臨川書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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