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2007 年度 実績報告書

南インド、アーンドラ地方における宗教美術の様相に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19820054
研究機関崇城大学

研究代表者

永田 郁  崇城大学, 芸術学部, 准教授 (20454952)

キーワードインド美術史 / アーンドラ地方 / アマラーヴァティー / ナーガールジュナコンダ / 仏教美術 / ヒンドウー教美術
研究概要

本年度は、南インド・アーンドラ地方ので、ナーガールジュナコンダ、アマラーアティーの両遺跡および初期ヒンドゥー教の馬蹄形寺院の遺例が残るチェジェルラのカポテーシュヴァラ寺院の遺跡調査、仏教美術・ヒンドゥー教美術の遺品が収蔵されるナーガールジュナコンダ、アマラーヴァティーの考古博抑館、ハイデラバード州立博物館、グントウールのバウダシュリー考古博物館等を調査した。
ナーガールジュナコンダでは、仏教美術の遺品の他にカールティケーヤの丸彫像、ヤクシャの丸彫像断片などインド考古局の当地の発掘調査で跡付けられた祠堂の本尊(遺跡82、遺跡64等)が確認でき、イクシュヴァーク朝ナーガールジュナコンダでは仏教、ヒンドゥー教が信仰され、また上記の民間信仰の神々の遺品から当時の重層的な信仰の様相が確認できた。特にカールティケーヤ像については5世紀以降にシヴァの息子に組み込まれる以前の民間信仰の濃厚な信仰を残しており、またヤクシャ神像の断片などの存在から当地で民間信仰が盛んな様相が看取された。このことはクシャン朝マトゥラーにおいても同様の出土品が確認される点、当地においては本尊共に遺構も確認されており、当時の宗教美術の様相を解明する手掛かりとなるであろう。また、チェジェルラのカポテーシュヴァラ寺院については、本来仏教寺院で、後にヒンドゥー教に転化したとみられるが、ナーガールジュナコンダにおいても仏教以外に馬蹄形寺院の遺例が看取され、検討の余地があろう。インド全体を考えた場合、馬蹄形の寺院の構造は西デッカン地方の紀元前の前期石窟寺院や紀元後のクシャーン朝マトゥラー(ソンク)のナーガ祠堂等にも確認される点、馬蹄形の祠堂が仏教起源とする見解についてもインドの宗教美術の様相を鑑み、馬蹄形寺院の展開を見据えた上で、考慮する必要があることを実地調査で認識した点、今後の研究の視座を提供してくれた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] シヴァ・ガナ像に関する試論-後代後期におけるシヴァの眷属図像の形成と機能をめぐって2008

    • 著者名/発表者名
      永田 郁
    • 雑誌名

      第1号

      ページ: 19-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 西デッカン地方の後期仏教石窟における仏殿本尊脇侍像・守門像について2007

    • 著者名/発表者名
      永田 郁
    • 雑誌名

      第22号

      ページ: 33-35

    • 査読あり
  • [学会発表] アジャンター後期窟における仏殿本尊脇侍像の形成について2007

    • 著者名/発表者名
      永田 郁
    • 学会等名
      九州藝術学会
    • 発表場所
      沖縄県立芸術大学
    • 年月日
      2007-11-24
  • [図書] 『汎アジアの仏教美術』 (宮治昭教授献呈論文集編集委員会編)2007

    • 著者名/発表者名
      永田 郁(供著)
    • 総ページ数
      492(その内78-100)
    • 出版者
      中央公論美術出版社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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