研究課題
2008年度は、デポジット制度を有効に活用する上での障害の克服について、引き続き検討した。1. デポジット制度における供給側や制度運営主体の負担緩和策を次のように検討した。(1) 供給側の負担緩和策について部分均衡分析をおこなった論文を2本出版し、また、一般均衡分析をおこなう論文に目途をたてた。(2) デポジット制度の代表的な国外の導入事例であるアメリカ・カリフォルニア州の飲料容器デポジット制度について、制度運営主体の業務の実態を明らかにするワーキングペーパーを作成した。2. デポジット制度の具体的な姿や評価について次のように検討した。(1) デポジット制度に関する経済学的研究をサーベイし、デポジット制度がもたらす正負の影響について整理した論文を出版した。(2) 大阪府豊中市における使用済み蛍光管の回収実験について詳細な分析をおこない、デポジット制度の対象財としての可能性を有する蛍光管にデポジット制度を適用した場合の影響を検討した論文を出版した。(3) ペットボトルの再利用の仕組みとしてデポジット制度を適用した環境省の社会実験を、消費者へのアンケートや現場見学等を駆使して詳細に分析し、日本で受け入れられるデポジット制度の必要条件を明らかにした。(4) 海外のデポジット制度の適用状況の概略、および、重点的に見る必要があると思われる事例についての想定されるシステムフローの情報から、デポジット制度を分類し、その特徴を検討した。デポジット制度は多くの先行研究で有用性が指摘されている。本研究における以上の検討は、今後の環境政策におけるデポジット制度の有効活用につながり、環境政策の改善に寄与すると考えられる。
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http://www.econ.fukushima-u.ac.jp/~numata/research/achievements.html